2019年08月02日

『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』のこと

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出版社のサイトより

「今、即、助ける」
「できることは助ける。できないことは相談する」
「助けっぱなし、助けられっぱなし」……

数々の支援活等で注目をあびる精神科医が、
生きやすさのヒントを探す旅にでる。


この本はもう「読んでよかった」と心から思える1冊。
こういう出会いがあるから本を読むのは楽しい

目からウロコがボロボロと落ちて、書き写したい言葉がたくさんでした。
紹介文にも載っている「助けっぱなし、助けられっぱなし」には特に「いいな、いいなぁ」となんどもつぶやきました。

精神科医である著者が自殺の少ない地域を数ヵ所訪れるのですが、それがどの県に集中しているというのではなくて徳島県や青森県の町や村だったり広島県や伊豆七島の島のひとつだったり色々です。
田舎だから隣近所と緊密だから自殺が少ないのかなぁと思ったけどそれは間違いでした。
その地域のひとたちはみな挨拶はよくするそうです。
狭い地域だから、だいたいどこの家の人だ、くらいはわかるそうです。
広く浅くの付き合い。
コミュニケーションは軽く、慣れているが、緊密さがあまりない。
いいなぁ〜息苦しくなくて。

ひとを助けることにおいて、相手の気持ちをあまり気にせず助けちゃうのです。
自分がしたいからする。
ある時著者が立っていると、通りすがりのおばさんから「うどん茹でたから食べていきなさい」と言われます。
「うどん茹でたけど食べますか?」ではなく。
ある時は「車で送ってやるから乗りな」です。「送っていきますか?」ではなく。

わたしは祖母のいよちゃんを思い出しました。
いつもごちそうをたくさん用意して待っていてくれて「食え食え!」
余ったものは「持ってけ」
お腹が一杯になると眠たくなる夫には、タオルケットと枕を渡して「寝ろ」です。

見返りは必要ない
困っているひとを見ると助ける
何かが返ってくるとは期待してないし、そもそも思ってもいない
ただ助ける、助けっぱなし

そこのひとたちは助けられ慣れているから、助けられっぱなし
助け合うでも、助けてくれたから恩を返すでもなく、常に助けたり助けられたりするから大きな範囲でお互い様になるのです。
島の外から島に働きに来ている女性が言います。
「島のひとたちは(困っているひとがいたら)ほっとけないと思うひとたち。見て見ぬ振りができないひとたち。」

著者は「もし助けられなければどうするのか?」と心配になります。
途中まで助けておいて、手に負えないから見捨てるくらいなら最初から助けないほうがいいのではないか?と。
するとその土地のひとは「できないことは相談する」と答えたそうです。
ポロポロ(ウロコが落ちる音)

もっともっと紹介したい言葉があります。
「病、市に出せ」はべてるの家に通じているし
オリィさんのツイートの「我慢と気合と根性じゃなくて知恵だしていこう」という言葉にも通じているところがあって、わたしの中にある点と点がつながった感覚です。
posted by 元女将 at 13:00| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする