2019年07月18日

『この世の春』

図書館で1年半待ちでやっと借りました。
予約していたのを忘れていたほどでした。

宮部みゆき著『この世の春』上下

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あらすじは出版社のサイトより

それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 
正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。
目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。
悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!


ううう〜〜〜〜ん
出版社の公式あらすじなのでなんも言えねぇ〜〜〜(不満は渦巻)
ミステリー要素はあるけど、サイコじゃないよ。
わたしは再生の物語として読みました。

主人公は各務多紀という出戻り(て!)の女性です。
隠居の身のお父さんと二人暮らしをしていますが、そこに失脚した藩の御用人頭の嫡子を抱いた乳母が助けを求めてきます。

それからほどなくしてお父さんが病気で亡くなります。
すると従兄弟の半十郎がやってきて秘密裏に多紀は藩主の別荘である「五香苑」に連れて行かれるのです。
そこは先の藩主が乱心を理由に強制的に隠居させられ、座敷牢に入れられている館だったのでした。

多紀の母の家系は「御霊繰(みたまくり)」というイタコのような能力を持っています。
その力が先の藩主の回復の手助けになるのではないかということで連れて来られました。

先の藩主には辛い過去があり、それを引き受けるためたくさんの人格が同居しています。
その中のひとりの琴音という少年がとてもとても可愛いのです。
もしかしたら、先の藩主重興より魅力的。

久しぶりに宮部みゆきワールドを堪能したって感じがしました。
キャラがみな立っているので読みやすい。
重興のご正室由衣様には幸せになっていただきたい。
半十郎にもいい人が見つかりますように!
なんて感情移入してしまいました。

今回の芥川賞直木賞が両方とも女性で、さらに直木賞候補が全員女性だったとニュースになっていました。
テレビの女性コメンテーターが「そんなことがニュースになることが悲しい」(作品に男とか女とか関係ない、候補者が全員男でもニュースにならないのに!)と言っていたけど、たぶん文学界というところは男とか女とか関係ある世界なんだと思います。
そんな世界でも実力を認めざるを得えないくらいの作品がたくさん誕生したってことなんだと思います。
医学部の受験じゃないけど、ハンデがあろうとも、ってことだと思います。

わたしも最近読む本は女性の作家さんのものが多いです。
とはいえ、読みたい本を探す時は作家さんの性別なんて気にしませんけどね。

芥川賞の今村夏子さんは未読ですが、直木賞の大島真寿美さんは『ふじこさん』という作品を読んだことがあります。
ふじこさんがとってもかっこよかった。
posted by 元女将 at 22:30| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする